VAIO type P レビュー「起動時間約10秒のLinuxベースのインスタントOS ”インスタントモード”で軽快に持ち歩く」

・「VAIO type P」がやってきた！(開梱レビュー)
・「VAIO type P」がやってきた！(外観レビュー)
・VAIO type P レビュー 「PCの実力、Windows エクスペリエンス インデックスの評価、ベンチマークテスト」の続きで
今回は「VAIO type P」の最大の特長の一つである、
「インスタントモード」についてレビューしてみたいと思います。

SONY VAIO type P
VGN-P90NS・VGN-P90S・VGN-P90HS
SonyStyle販売価格：79,800円～（税込・送料無料・3年保証ベーシック付）
※2009年1月14日現在

＜VAIO type Pを10秒で起動させる「インスタントモード」＞

ポケットスタイルPCである「VAIO type P」には、
Windows Vista 32bit版とは別に、
XMB（クロスメディアバー）ボタンで起動する、
LinuxベースのインスタントOS「インスタントモード」を搭載している。

	インスタントモード	Windows Vista
起動 時間	電源オフからすぐ起動(約10秒)	休止状態からの起動に時間がかかる (1分以上)
機能	使用頻度の高い機能に限定 (AVプレーヤー+ネットワーク)	Windows向けの幅広いアプリ/機能 高い拡張性
UI	クロスメディアバー(XMB)	使い慣れたWindowsの画面・操作性

このインスタントモードは、
Linuxベースで、インターネットやAVプレーヤーとして使うことができ、
電源オフ状態からなんと約10秒で起動し、
インスタントモードからWindows Vistaを起動できるのがポイント。

インスタントモードの起動は
電源オフ状態より、「VAIO type P」キーボード一番手前の
”+”のような「XMBボタン」を押すだけで
約10秒で立ち上がるようになっていて、
ソニーのBRAVIAやブルーレイディスクレコーダー、PS3やPSPなどに搭載されている
XMB（クロスメディアバー）を基としたUIとなっている。

操作は至ってシンプルで、
キーボードの十時キーでアイコンを選んでクリックするだけの
直観的な操作でAV機器のように手軽に使える。

＜「VAIO type P」のインスタントモードでできること＞

インスタントモードでは、
システムの設定やWindows Vistaの起動の他、
画像、音楽、ビデオの再生や
インターネットブラウザ、Skype、インスタントメッセンジャーの機能を搭載。

ただし、ワンセグ搭載モデルでは、ワンセグ視聴が、
ワイヤレスWAN搭載モデルではワイヤレスWAN接続には未対応で、
持ち歩きをメインにする「VAIO type P」なのに、
この2つの制限事項は致命的なので
極力早いアップデートの対応を求めたい。

＜インスタントモードを使ってみる＞

●ユーザー

・電源オフ
・Windowsスタート

まずは、インスタントモードから
電源オフ、
Windows Vistaの起動の時間（Windows Vista ウェルカムセンター表示完了まで）を
3回計測の平均で計ってみる。

インスタントモード　⇒　電源オフ　：　5秒以内
インスタントモード　⇒　Windows Vistaの起動　：　1分31秒

さすがにインスタントモードから電源オフまでの時間も短く、
出先ではもちろん、
自宅などでも簡単なAVプレイヤー兼Webブラウジングマシンとして気軽に使える。

●設定

・ネットワーク設定
・テーマ設定
・日付と時刻設定
・アクセサリ設定
・ディスプレイ設定
・言語設定
・サウンド設定
・システム設定

こちらの設定項目では上記の設定が可能で、
ネットワーク設定はPSPと似ていて、
設定はかなり簡単。

また、テーマ設定では背景の変更が可能。

ディスプレイ設定では
バックライトの輝度調整、スクリーンセーバーのオン・オフ、
自動電源のオン・オフの設定ができる。

その他、システム設定では
ビデオライブラリ、フォトライブラリ、ミュージックライブラリのセットアップ、
ブックマークのインポート/エクスポートの設定が可能。

ライブラリのセットアップは
C:/Users直下のPublicにあるデスクトップを始め、
ドキュメントやダウンロードフォルダから任意のフォルダを指定できる。

●フォト

デフォルトでは
Windows Vistaのサンプルピクチャが指定されていて、
先ほどのライブラリのセットアップで
任意のフォルダを指定することが可能だし、
SDカードやメモリースティックからの読み込みもできる。

フォトはJPEGはもちろん、GIFやBMPなどにも対応。
液晶の発色がよく、まるでデジタルフォトフレームのよう。

さらに写真を回転させたり、スライドショーをすることも可能で、
コントラストや明るさも調整できる。
因みにスライドショーは”フェード”、”ワイプ”の2種類の
スライドショースタイルも設定できる。

ただ、ファインモードなどのファイルサイズが大きいJPEGは
表示に少々時間がかかるので、
比較的サイズの小さいJEPGを表示させて
ストレスなく楽しみたいところ。

●ミュージック

音楽も写真同様にライブラリのセットアップで
ストレージ上の任意のフォルダを指定できるし、
メモリーカードからの読み込みも可能。

●ビデオ

ビデオも写真や音楽と同様で任意のフォルダ、メモリーカードからの読み込みもO.Kだが、
重い動画を再生する際にコマ落ちをすることも。
軽い動画ならコマ落ちすることもなく、
スムーズに再生できるので
できる限り軽い動画を再生することをお勧めします。

●インターネット

・インターネットブラウザ
・インターネット電話（Skype）
・インスタントメッセンジャー

インスタントモードに搭載されているWebブラウザはFirefox。

通常は1枚表示となるが、
”ブラウザモード”から”デュアルウィンドウ”を選択すると
2枚表示が可能。
もちろん、”タブ”機能も搭載しているので、
普段使いと変わらないWebブラウジングが可能となっている。

最後にインターネット電話（Skype）、インスタントメッセンジャーは
試す相手がいないので割愛。。。

＜「VAIO type P」のWindows Vistaとインスタントモードを使い分ける＞

インスタントモードは上記に記述したように、
通常のWindowsのような使い勝手はないものの、
インターネットや写真・音楽・ビデオといったコンテンツをAVプレーヤー的に
素早く、かつ簡単に使うことができるインスタントOS。

ただし、2009年1月14日現在では
インスタントモードでのワンセグ、ワイヤレスWANには未対応なので、
外出先でワンセグを見たい場合やワイヤレスWANに接続したい場合は
Windows Vistaを起動させる必要があるが、
出先にワイヤレスLANや有線LAN環境がある場合、
Webでちょっとした調べ物などをしたいなどといった時には
インスタントモードで起動した方がはるかに早いし、
インスタントモードからWindows Vistaを起動するのも
1分30秒程で立ち上がるので、
必要に応じてインスタントモードからWindowsを起動するというスタイルがいいかも。

また、Windows Vistaの運用は
自宅などの電源がある場所では特に、
できる限り”スリープ”で行い、Windowsの起動、終了は極力抑えたい。

このスリープという機能は、
スタンバイと休止状態を組み合わせたモードで、
作業中のデータをメモリーに保存し、
18時間経つか、バッテリー残量が低下した場合に
保存先がストレージに切り替わる機能で、
スリープへの移行は8，9秒ほど、
復帰は7，8秒程度なので
Windowsの起動、終了と比べて段違いに速い。

なので、電源がある場所はもちろん、
バッテリー運用時でもスリープを多用して
省電力かつスピーディーに「VAIO type P」を持ち歩きたい。

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コメント 3

その性能凄さと、技術の進歩には
頭が下がるばかりであります
by やまがたん (2009-01-14 20:57) 

おー
便利機能もちゃんとあるではないですかー！

でもまだ完成度は足りない感じかな？
けど、これから主流になりそうな機種かも。
by HAL (2009-01-15 01:31) 

＞やまがたんさん
＞HALさん
コメントありがとうございます。
今回の「VAIO type P」には
このインスタントモードが搭載されていて、
出先でちょっと調べ物をといった時には
電源のオンオフの時間がすっごく短いのがうれしいですね。

ただ、本文にも記載しましたように、
現在の段階ではワンセグやワイヤレスWANには未対応なので、
できるだけ早い対応をして欲しいと思っています。
by ishikawa (2009-01-17 07:55)